元オリンピアンの私が、子育てで一番打ちのめされたこと

暮らし・子育て

子どもが生まれて、一番衝撃だったこと

子どもが生まれる前、私は自分のことを、どちらかというと穏やかな人間だと思っていました。

人に対して怒ることも、そんなに多くない。

だから、子どもが生まれても、きっと毎日穏やかに子育てするんだろうなと思っていました。

……全然違いました。笑

もちろん、子どもが嫌だとか、子育てがつらくて仕方ないという話ではありません。

ただ、子どもが生まれて一番衝撃だったのは、

「こんなに自分の思い通りにならないことってあるんだ」

ということでした。

私はこれまで、かなり「計画して、実行する」ということをしてきた人間です。

競技では練習をして、レースに向けて準備をする。

仕事では期限から逆算して、できるだけ早く終わらせる。

資格勉強では、朝の時間を確保して勉強する。

今でも、朝3時や3時半に起きて、自分で時間を作っています。

ところが、子どもが生まれた瞬間、それまでの感覚が一気に崩れました。

まず、「子どもって寝ないんだ」と思った

一番最初に衝撃を受けたのは、睡眠です。

生まれてから数か月なんて、そもそもまとまって寝ない。

夜中に起きる。

そして、ようやく少し大きくなってきたと思ったら、今度は別の意味で寝ない。

2歳になった今でも、朝4時に起きてくることが普通にあります。

「今日は朝3時半から5時半まで勉強しよう」

と思って寝たのに、4時に子どもが起きてきたら、その時点で予定変更です。

朝の時間を自分のために使おうと思っていても、子どもが起きてきたら、当然そちらを優先する。

これまでの人生で、

「自分が寝たいのに、寝られない」

という経験はほとんどありませんでした。

だから、これはかなり衝撃でした。

そして今でも、たまに朝4時に起こされると、

「……今日の予定、終わった。笑」

となります。

「予定通りに進まない」が、子育てでは普通だった

睡眠だけではありません。

子育てをしていると、本当に予定通りにいかない。

例えば、朝7時半に子どもを保育園に預けるとします。

私は5時半くらいから自分の支度を始めます。

普通だったら30分くらいで終わることでも、子どもの相手をしながらだと、1時間、1時間半とかかかることがあります。

途中で、

「抱っこして」

と言われる。

何かを持ってきて、

「これやって」

と言われる。

そこで「今は時間がないから」と全部断っていたら、朝から親子ともに余裕がなくなります。

だから今は、最初から時間がかかる前提で予定を組むようになりました。

これって、以前の私からすると結構大きな変化です。

私はもともと、時間にかなりシビアです。

自分が遅刻するのがものすごく嫌い。

「子どもがいるから遅刻しました」という状態も、できるだけ避けたい。

だから、

子どもがいるから予定通りにいかなくても仕方ない

と考えて、時間にルーズになる方向には行きませんでした。

むしろ逆です。

子どもがいても遅刻しないために、予定に余裕を持たせるようになりました。

「昨日食べたのに、今日は食べない」も普通

食事もそうです。

私は料理をすることもあるので、

「今日はこれを食べてもらおう」

と思って作ります。

でも、食べない。

昨日は普通に食べていたのに、今日は食べない。

しかも、うちの子は基本的にはよく食べるほうです。

野菜が嫌いだからとか、特定のものが苦手だからというわけでもない。

単純に、その日の気分で食べない。

「昨日食べたじゃん!」

と思います。笑

大人だったら、

「昨日これ食べたから、今日も食べよう」

とか、

「せっかく作ってくれたから食べよう」

と考える。

でも、2歳児にはそんな都合のいいロジックは通用しません。

そこで、

「こんなに頑張って作ったのに!」

と怒っても仕方がない。

子どもは子どもで、その日の気分で生きている。

これも、私にとってはかなり新しい世界でした。

自分が「ムッとする人間」だと知った

そして、もう一つ。

子どもが生まれて、自分自身についても意外な発見がありました。

私、結構ムッとするんだな。

ということ。笑

私はもともと、自分では穏やかな性格だと思っています。

人に対して怒ることも、そこまで多くありませんでした。

だから、

「子どもが生まれても、穏やかに子育てするんだろうな」

と思っていたんです。

でも、実際にはそうでもない。

子どもが何を考えているのか分からないような行動をしたり、こちらが時間に追われているときに限って何かを要求されたりすると、

「もう……!」

となることはあります。

もちろん、子どもに必要なことを教えるために、叱ることは大切だと思っています。

何でも「怒らない子育て」が正解だとは思っていません。

でも、私がしたくないのは、自分の感情をコントロールできなくなって、感情のまま子どもに怒りをぶつけること。

叱ることと、自分がイライラして感情をぶつけることは、私の中では別物です。

だから、子どもをコントロールすることよりも、自分自身をコントロールできる人でいたいと思っています。

これは、子どもが生まれる前にはあまり考えたことがありませんでした。

子育てを始めて、「余裕」の意味が変わった

そんな経験をして、私は「予定通りにいかないなら、計画なんて意味がない」とは思いませんでした。

むしろ、逆です。

予定通りにいかないことを前提に、計画するようになりました。

例えば朝。

7時半に保育園に着きたい。

そこから逆算して、普通ならこれくらいで準備できる。

でも、子どもがいるなら、その倍くらいかかる可能性がある。

だったら最初から時間を取っておく。

そうすると、子どもから「抱っこして」と言われたときにも、ちゃんと抱っこできる。

「これやって」と言われたときにも、少し付き合ってあげられる。

余裕を作ることは、子どものためでもあり、自分のためでもある。

以前の私は、時間を無駄にしないことをかなり大切にしていました。

今もそれは変わっていません。

でも、子どもが生まれてからは、

「余裕のないスケジュールで、1分1秒を詰め込むこと」が必ずしも効率的ではない

と思うようになりました。

余裕がないと、ちょっとした予定変更ですべてが崩れる。

余裕があれば、子どもに時間を使っても、その後の予定まで崩れずに済む。

私にとっては、これも一つの効率化です。

オリンピックを目指していた頃とは、全然違う

競技をしていた頃は、努力すれば上達する。

練習すれば課題が見つかる。

課題を改善すれば、次のレースで試せる。

もちろん、そんなに単純ではありませんでしたが、少なくとも自分が努力することで、状況を変えられる感覚はありました。

今でも資格勉強や仕事では、その考え方がかなり残っています。

やるべきことを決めて、時間を作って、少しずつ進める。

でも、子育ては違う。

朝4時に起きる子どもを、努力で5時まで寝かせることはできない。

昨日食べたご飯を、今日も食べてもらうために、もっと努力すれば解決するわけでもない。

「今日は予定通りに進めたい」と思っても、子どもには子どもの都合がある。

自分の努力だけではどうにもならない世界がある。

それを知ったことは、私にとってかなり大きなことでした。

それでも私は、計画することをやめない

だからといって、私はこれからも、

「まあ、子どもがいるし、予定通りいかなくてもいいか」

とはならないと思います。笑

遅刻するのは嫌だし、やりたいこともある。

資格勉強もしたい。

仕事もちゃんとやりたい。

副業もしたい。

子どもとの時間も大切にしたい。

だから私は、全部を諦めるのではなく、最初から余白を作るようになりました。

子どもが生まれて、私の時間の使い方は確実に変わりました。

でも、時間を大切にしたいという気持ちは変わっていません。

むしろ今は、

「何かが起きる余地まで含めて、自分の時間を設計する」

という考え方になったんだと思います。

子育てで一番打ちのめされたのは、「自分ではどうにもできないこと」があると知ったこと

子どもが生まれて、一番衝撃だったこと。

それは、寝ないことでも、ご飯を食べないことでも、朝4時に起きてくることでもありません。

その全部を通して、

「自分がどれだけ頑張っても、どうにもならないことがある」

と知ったことです。

私はこれまで、努力することや、継続すること、計画することをかなり信じてきました。

それでオリンピックにも行ったし、今も資格試験に挑戦しています。

でも、子育てでは、それだけではどうにもならない。

だから最近は、思い通りにすることよりも、思い通りにいかなかったときにどうするかのほうが大事なのかもしれないと思っています。

子どもに振り回される。

予定も崩れる。

たまにはムッとする。

それでも、できるだけ自分の感情は自分でコントロールして、子どもとの時間をちゃんと楽しみたい。

そして、子どもがいても自分のやりたいことを諦めない。

そのために、少し早く起きて、少し余裕を持って予定を組む。

今の私にとっての「子育てと自分の人生の両立」は、そんな感じです。

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