「簿記を勉強してよかったですか?」
もし今の私に聞かれたら、私は「よかった」と答えます。
ただ、よくある簿記の記事に書いてあるような、
「数字に強くなった」
「仕事で役立った」
「転職に有利になった」
という話だけではありません。
私の場合、簿記3級を勉強したことが、その後の仕事や副業、そして税理士試験につながっていきました。
一方で、簿記を勉強したから投資がめちゃくちゃ上手くなった、ということは全然ありません。笑
今回は、私が実際に簿記を勉強して、その後どうなったのかを書いてみます。
私が簿記3級を勉強したきっかけ
簿記3級を勉強したのは、今の税理士事務所に入る前です。
当時は会社員でしたが、妊娠・出産をきっかけに、それまで働いていた会社には戻らないつもりでいました。
「じゃあ、次は何の仕事をしよう?」
そう考えたときに、頭に浮かんだのが税理士でした。
とはいっても、その頃の私は税理士についてほとんど知りません。
税理士事務所で働いたこともなければ、税理士試験について詳しく知っていたわけでもありません。
そこでまず、**「そもそも自分はこういう仕事が好きなのかな?」**を知るために、簿記3級を勉強してみることにしました。
実際に勉強してみると、これが結構面白かった。
私はもともと理系寄りだったので、数字を扱うことにそれほど抵抗がありませんでした。
むしろ、
「簿記って面白いな」
と思ったんです。
この時点で、税理士を目指してみたい気持ちは少しずつ強くなっていました。
ただ、「面白そう」と「本気で何年も勉強する覚悟がある」は別の話。
税理士試験は、簿記3級とは比べものにならないくらい時間も努力も必要です。
そこに踏み込む覚悟がなかなかできなくて、実際に決断するまでには時間がかかりました。
簿記3級があったから転職できた……というより、なかったら受からなかったと思う
ここは「簿記3級を取って転職に有利になりました」という話とは少し違います。
そもそも税理士事務所で働こうと思ったら、ある程度の簿記の知識がないと、仕事になりません。
私が今働いている事務所も、基本的には簿記2級程度が最低レベルとして採用条件になっていました。
私は簿記3級しか持っていませんでした。
「じゃあ、どうして採用されたの?」
という話なんですが、当時すでに税理士試験の簿記論の勉強を始めていたんです。
資格としては3級でも、実際にはその先の勉強をしていた。
そこを採用してくださる方が見てくれたんだと思います。
だから私の場合、
「簿記3級を持っていたから転職できた」
というより、
「簿記の勉強を始めていなかったら、そもそも税理士事務所への転職に挑戦することもできなかった」
という感覚に近いです。
今振り返ると、あのとき最初に簿記3級を勉強してみたことは、かなり大きな一歩でした。
勉強しているだけでは分からなかった「簿記」が、実務でつながった
簿記を勉強していたとき、仕訳や数字の動きは理解できても、
「これって実際の仕事ではどう使うんだろう?」
という感覚はありました。
教科書の中では、
「こういう取引があったら、この仕訳」
と分かる。
でも、実際の会社のお金がどう動いて、それが会計上どう処理されて、最終的にどこにつながっていくのか。
そこまでは、机の上で勉強しているだけではなかなか実感できませんでした。
それが税理士事務所で働き始めて、実際に会計ソフトを使って仕訳を切るようになってから、「あ、ここがこうなっていくんだ」と分かるようになった。
これは結構面白かったです。
今まで勉強していたものが、実際の仕事の中でつながっていく。
簿記の勉強をしていたからこそ、実務に入ったときに「何をやっているのか全然分からない」という状態にならずに済んだ部分もあると思っています。
副業では「利益を残す」という考え方に役立っている
簿記が一番分かりやすく役立っていると感じるのは、副業のお金の管理かもしれません。
私の場合、セミナーなどの副業をしています。
告知やSNSの運用などは、仲のいい友達にお願いしています。
だからこそ、全部を自分でやるのではなく、**「外注費を払っても、ちゃんと利益が残るのか」**ということは考える必要があります。
売上だけ見て、
「これだけ売れた!」
では意味がない。
そこから必要な費用を引いて、最終的にどれくらい利益が残るのか。
粗利を計算しながら、外注費も設定しています。
簿記を勉強していなかったら、こういう数字を見ることにもっと苦手意識があったかもしれません。
もちろん、副業の経営判断をするのに簿記3級だけで十分というわけではありません。
でも、「売上」と「利益」は違うという当たり前のことを、数字として考える習慣はついたと思います。
確定申告への抵抗も少し減った
もう一つは、確定申告です。
副業を始めると、当然お金の管理や確定申告とも付き合っていくことになります。
私は税理士事務所で働いていることもあって、税金について勉強する機会はあります。
でも、そもそも自分が副業をして利益を得て、
「じゃあ、ちゃんと申告しよう」
と思えたのは、簿記を勉強していたことも多少影響していると思います。
簿記を知らなかったら、会計や確定申告に対して、もっと「難しそう」「できれば関わりたくない」という気持ちがあったかもしれません。
今は、
「利益が出たなら、ちゃんと数字を整理して申告する」
ということに、それほど大きな抵抗はありません。
これは副業を続けるうえでは、地味ですが結構大事なことだと思っています。
ちなみに、投資では簿記をほとんど使っていない。笑
ここまで簿記の話をしてきたので、
「じゃあ投資でも企業の決算書を読んでいるんですか?」
と思われるかもしれません。
いや、正直ほとんど見ていません。笑
私は長期投資をしていて、投資信託を選ぶことが多いです。
投資信託なら、いろいろな企業が組み込まれているので、私自身が一社一社の決算書を細かく分析して投資先を決めているわけではありません。
個別株も持っていますが、こちらは株主優待を楽しむ目的が大きい。
「この会社の経営状態を徹底的に分析して、この株を買いました」
みたいな投資スタイルではありません。
なので、簿記を勉強したから投資にも強くなった、というのは私には当てはまりません。
ここは正直に書いておきたいところです。
簿記を持っているからといって、何でも数字が読めるようになるわけでも、投資が上手くなるわけでもありません。
簿記3級から、税理士試験へ
そして私にとって一番大きかったのは、簿記3級がその先につながったことです。
簿記を勉強してみて、
「これ、面白いな」
と思った。
でも、税理士試験に挑戦するとなると話は別です。
必要な勉強時間も、難易度も、3級とは全然違う。
「本当にそこまでやるの?」
というところで、私はかなり悩みました。
決定打が一つあったわけではありません。
ただ、簿記の勉強そのものが面白かったこと。
そして、以前の記事でも書いたように、どうせ何もしなくても年は取るなら、少しでも成長した自分でいたいと思ったこと。
それが積み重なって、税理士試験への挑戦を決めました。
以前、私が「どうせ年を取るなら、成長した自分でいたい」と考えて税理士試験への挑戦を決めた話はこちらに書いています。
簿記を勉強してよかった。でも、簿記だけで人生が変わったわけではない
簿記3級を取っただけで、何かが劇的に変わったわけではありません。
簿記3級だけで税理士事務所に入れるわけでもないし、投資が上手くなるわけでもない。
でも、私の場合は、簿記を勉強したことが次の行動につながっていった。
「自分はこういう勉強が好きなんだ」と分かった。
そこから税理士という仕事に興味を持った。
税理士事務所に転職して、実務の中で簿記を使うようになった。
副業を始めて、利益や外注費を考えるときにも使うようになった。
そして今は、その先の税理士試験に挑戦しています。
振り返ると、簿記3級はゴールではなく、私にとっては次に進むための入口だったんだと思います。
これから簿記を勉強しようか迷っている人に、「絶対に取ったほうがいい」とまでは言いません。
ただ、もし少しでも興味があるなら、一度勉強してみるのはありだと思います。
やってみたら、
「意外と面白い」
と思うかもしれない。
そして、その「意外と面白い」が、思ってもいなかった次の仕事や資格につながることもある。
私自身が、まさにそうでした。
私が簿記から始めて、今は税理士試験に挑戦している理由
簿記3級を勉強した頃の私は、まさか今、自分が税理士事務所で働きながら税理士試験の勉強をしているとは思っていませんでした。
でも、最初から全部決めていたわけではありません。
まず簿記をやってみる。
面白かったから、もう少しやってみる。
仕事として実際にやってみる。
その先もやってみたいと思ったから、税理士試験に挑戦する。
私の場合、人生はそんなふうに少しずつ進んできました。
「やってみたいけど、自分に向いているか分からない」
そんなときは、最初から大きな決断をしなくてもいいのかもしれません。
私も、最初は簿記3級からでした。


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